ある企業さまの管理職研修で、こんなご質問をいただきました。
すごく良い関係だった人と、関係性が壊れてしまいました。元に戻したいのですが、どうすればいいですか。時間が解決してくれると思うのですが・・・。
確かに、親子や兄弟姉妹などの身内や、長く苦楽を共にしてきた同僚など、お互いの性格・性質を、ある程度、理解している関係ならば、「まぁ、あの時はお互い、あんな状況だったし、大人げなかったかな」などと、お互いに反省したり、相手を受け入れたり、捉え方を変えたりしながら、関係の修復に向かうこともあります。
けれども、それは時には、完全に元に戻ったのではなく、その時の疑問や疑惑、怒りなど、リアルな感覚が風化していくだけで、『なかったこと』には決してならず、心のどこかに、何らかの形で、必ずその記憶は残ります。そして、また次に同じようなことが起こったとしたら、その忘れかけた感情が再燃するのです。
では、どうすればいいのでしょう。
それには正解はありませんが、1つのやり方として、自分に非があったのなら、是非それを伝え、潔く謝ってほしいものです。ただ、それは決して言い訳であってはなりません。目的が、『自分のことを理解してもらう』だと、言い訳になってしまうでしょうし、『相手との関係を修復させる』ならば、謝罪に加え、相手の感情などに対する『承認』も必要となるでしょう。それがあって、その先に、『自分の言い分』を伝える機会を得られるかもしれません。
大切なのは、曖昧にしたり、『なかったこと』にしたりしないで、相手の心を置き去りにしないこと。
・・・嗚呼、
これを、もっともっと若いうちに、きちんと意識していたかったなーと思うこと多し。