共学と男女別学、リーダーシップを育むのはどちら?

全国の公立高校で共学化が進められている中、埼玉県に12校残る男女別校に対し、第三者機関が共学化を求める勧告を出しました。その第三者機関に対しては、コーチの視点からの見解はあるものの、私は教育界の専門家ではないので、ここではリーダーシップの観点から考えてみようと思います。

共学のメリットとしては、どんなことがあるでしょうか。
◉男女の違いを認識し、互いの弱点を補い協力し合う姿勢が生まれる
◉実社会に近い環境で過ごせる
◉同性だけでなく、異性とのコミュニケーション能力を高めることができる
◉異性との適度な距離感が自然に身に付く

それに対し、男女別学のメリットはなんでしょう。
◉性差に合ったカリキュラムが組めるので、効率的な学習に繋がりやすい
◉異性の目を気にしなくて良いため、本来の自分を発揮しやすくなる
◉自由な校風の学校が比較的多く、友達を作りやすい
◉性別による役割分担の考えがないため、自立心を育むことができる
(※ここでは、あえてデメリットについては触れません)

これらの中でも注目したいのは、男女別学のメリット『性別による役割分担の考えがないため、自立心を育むことができる』です。

例えば、共学ならば、大きな荷物や重い物を運ぶときは、当たり前のように男子の役割となるでしょうが、女子校では、誰かが率先してやらなければなりません。また共学において、野球部のマネージャーは、ケア(部室の掃除、道具や備品の管理、部員が飲む水やドリンクの準備など)中心の仕事ならば女子にお願いしたいところでしょうが、男子校では誰かが率先してやらなければなりません。
(そもそも戦前や戦後しばらくは、男女共学ではなかったため、運動部マネージャー=男子マネージャーが当たり前でしたが、1960年代頃から女子マネが誕生し、徐々にマネージャー=女子マネージャーとなったそうです)

この『率先してやる』ことが、まさにリーダーシップが発揮されている状態といえます。異性がいるから、男女の役割が生まれる。「男だから」「女だから」という決めつけは、実は共学の方が起こりやすいのかもしれません。ジェンダー平等の観点から、半ば強引に進めようとしているようにも見える埼玉県立高校の共学化は、もしかしたら、よりジェンダー問題を生み出す可能性だってあるわけです。どちらかの性別(ここでは肉体的な性差)しかなければ、男女の役割分担の発想も頼ることもなく、自らリーダーシップを発揮した人がその役割を担うわけですから。異性の目を意識しなくていい分、伸び伸びとリーダーシップを育んでいけるわけです。

リーダーシップを養う、という観点からすれば、男女別学はある意味、共学以上に効率が良いと言えるように思います。

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